(全体解説)
セラミックスは、金属、高分子と並ぶ代表的な工業材料であり、これまでに、多くの
分野で使用され、日本経済の発展を牽引してきたキーテクノロジーである。20 世紀
の100 年間は、産業用セラミックスの発展は目覚ましく、さまざまな特性を発現す
るために、アプリケーションの範囲は多岐にわたる。
●ファインセラミックス産業・技術開発
20 世紀初頭では、工業用絶縁碍子が送電に適用され、さらには自動車のスパークプラグに
応用されるなど、ファインセラミックス産業が生まれ、育成されてきた。その後、1950 年
代には、誘電体、磁性体, 圧電体などの多くの機能を有する電子セラミックスの開発が活発
となり、1980 年代からは、 窒化珪素や炭化珪素などの構造用セラミックスの応用に関する
開発が盛んに行われるようになってきた。さらに、20 世紀後半になると、超伝導セラミッ
クス、気相合成ダイヤモンドなどの新しい無機材料の研究開発が盛んに行われるようになり、
さらには、カーボンナノチューブ、ナノシート等の新しい素材も発見され、 今後、産業技術
への貢献が期待されている。
●セラミックテクノロジーの進化
絶縁碍子の開発に始まる工業用磁器の製造技術は、化学的に精製した原料粉末から製造する
ファインセラミックスへと20 世紀に進化した、有機質の成形バインダーや焼結性に優れる
微細な粉末製造、材料特性と焼結性を制御する微量の添加物の開発などが行われ、さまざま
なセラミックス製品の実用化が進んだ。
20 世紀初頭には少量の粘土を加えなければ緻密化できなかった酸化物の焼結技術は、1962
年に高圧ナトリウムランプに用いる透光性アルミナを生み出す段階にまで達し、現在ではレー
ザ発振が可能なほど緻密な透明セラミックスの技術へと進化をみせた。成形技術についても
精密な制御が進み,積層セラミックスでは一層の厚みが数μ m の積層体が製作され、径が
10μm 以下のセラミックス繊維も製造されている。
●環境・エネルギーとバイオテクノロジー
セラミックスはエネルギーやバイオテクノロジー分野でも重要な役割を担うようになってき
た。光浄化機能を有するチタニア触媒、リチウムイオン電池の電極材料は非金属無機材料で
あり、ベータアルミナを電解質とするナトリウム硫黄電池は余剰電力の平滑化に寄与してい
る。バイオセラミックスは骨や歯の外科治療に応用され、セラミック人工骨補填材は骨再生
医療に貢献している。
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