日本セラミックス協会ガラス部会分析測定グループは日本のガラスの産業技術を支えてきたガラスの化学分析法について,最近の機器分析の発達によって消え去りつつある伝統的な方法を整理した.内容は1943年から1992年に至るJIS,ASTM,DIN,BSの9規格及びICG報告3報を取り上げ,試料調製方法及び次の成分の各個別の定量方法合計222を記載し,各方法の詳細と現代に至る流れを記述している.
成分はSiO2, Al2O3,Fe2O3,TiO2,ZrO2, CaO, MgO, Na2O, K2O, BaO, PbO, ZnO, Cr2O3, MnO,B2O3, 全S,全As, F, Cl及びP2O5である.本書は世界のガラスの化学分析法の現時点での集大成であると言うことができ,また半世紀以上にわたってこの実務に取り組んだ編者グループの結晶である.ガラス,セラミックス業界,事業所あるいは無機物質の化学分析に携わる技術者には是非一冊備えておくことを薦めたい労作である.