日本セラミックス協会関東支部 セラミックス地域懇談会 実績報告書

概 要
 2023年9月15日に,Teamsを用いたオンライン方式により,地域懇談会事業と,第2回長野県ファインセラミックス技術研究会を共催実施しました.
 研究会員である長野県内の中小企業と信州大学に加え,関東支部会員の参加もあり,11機関30名の参加者を迎えて実施する事ができました.
 今回は,鹿児島大学 大学院理工学研究科 工学専攻化学工学プログラム 准教授 鮫島宗一郎 氏をお招きし,多孔質セラミックス触媒を用いたバイオガスからの水素製造について御講演をいだたきました.
 御講演では,メタンや二酸化炭素からなるバイオガスから水素を製造するドライリフォーミング反応について解説いただきました.この反応は炭素析出やニッケル触媒の粒成長で触媒性能が低下する問題がありましたが,解決策としてナノサイズの細孔を有し,二酸化炭素を吸着する塩基性成分の多孔質セラミックスにニッケル触媒を担持させることが有効であることを紹介いただきました.現在,800℃,12時間の反応条件で高い耐久性を示すことが確認されており,今後より長時間の耐久性試験や二酸化炭素吸着挙動,ニッケル担持状態の評価等が必要なことを解説いただきました.また,ニッケル担持多孔質セラミックスを用いてアンモニアから水素を製造する技術についても紹介いただきました.
 今回,研究会での講師をお引き受け頂いた鮫島様,ご参加いただいた皆様,並びにご支援を賜りました日本セラミックス協会関東支部幹事の皆様に深く感謝申し上げます.

講演内容

題 目:「多孔質セラミックス触媒を用いたバイオガスからの水素製造」

講 師:鹿児島大学 大学院理工学研究科
    工学専攻化学工学プログラム
    准教授 鮫島宗一郎 氏

内 容:1.バイオガス利用の背景
    2.ドライリフォーミング反応
    3.多孔質セラミックス担体
    4.アンモニア分解

質 疑:多孔体の厚みや反応場について 等

以 上

参加者募集‐日本セラミックス協会関東支部 セラミックス地域懇談会

<講演会>

日時:2023年 9月15日(金)、13時30分〜15時30分

開催方法:Teamsによるオンライン開催

講師:鹿児島大学 大学院理工学研究科 工学専攻化学工学プログラム
   准教授 鮫島宗一郎 氏

題目:「多孔質セラミックス触媒を用いたバイオガスからの水素製造」  メタンや二酸化炭素からなるバイオガスから水素を製造する技術はカーボンニュートラル,地球温暖化対策として期待されている.鮫島氏は多孔質セラミックス触媒を用いた,バイオガスから水素を生成するドライリフォーミング反応の促進技術を開発されており,本講演では,当該技術の最新動向や実用化に向けた取り組みについて解説して頂く.

参加者:50名程度
   参加希望者は,9月13日(水)17:00までに以下の連絡先にお知らせください.

参加費:無料

主催:長野県ファインセラミックス技術研究会
   日本セラミックス協会関東支部

連絡先:長野県工業技術総合センター 材料技術部門 材料化学部
   柳澤貫太
          E-mail: yanagisawa-kanta-r@pref.nagano.lg.jp