◇部会報告◇

6回セラミックス化学分析技術セミナー及び原料部会貢献賞表彰式開催報告

 

 原料部会化学分析分科会では,平成191130(),日本分析化学会と共催の「第6回セラミックス化学分析技術セミナー」を,東京工業大学大岡山キャンパス百年記念館で開催しました。当日の有料参加者は33名で,目原料部会長の挨拶の後,4件の講演が行われました。まず()日本化学物質安全・情報センターの山高一則氏に「REACH規制,RoHS指令等について」と題して,2007年と2006年にそれぞれ発効したEUREACH規制とRoHS指令について,分かりやすく説明をして頂きました。昼食の後,()東芝の竹中みゆき氏から「電気・電子部品に関する環境計測技術の動向」として,国際電気標準会議(IEC)で規格化が進められている試験法を含めて,最近の電気電子製品に関する環境計測技術についての紹介がありました。続いて()産業技術総合研究所の日置昭治氏より「RoHS指令対応用プラスチック認証標準物質の開発」と題して,同氏を中心に産総研でなされた認証標準物質の開発プロセスについて紹介があり,分科会での標準物質作製にとって非常に参考になりました。最後に()マイルストーンゼネラルの後藤将治氏に「マイクロ波分解法によるファインセラミックス材料の前処理法」と題し,最近普及の著しいマイクロ波分解法を用いてファインセラミックス材料を分解する手法について実践的な紹介をしていただき,実際に化学分析業務に携わっている多くの参加者にとって非常に参考になりました。いずれの発表にも参加者から多数の熱心な質問があり,進行上質問を打ち切らざるを得ないほどの盛況のうちに終了しました。終了後の参加者のアンケートでは,回答のあったほとんど全員から「参考になった」との評価をいただき,担当者として非常に嬉しい思いをしました。

講演会終了後,20078月に発行された協会規格110「ファインセラミックス用炭化けい素微粉末中の環境影響成分の化学分析方法」作成に際して行った共同分析にご協力頂いた方々に対し,原料部会貢献賞表彰式を行いました。目部会長の挨拶の後,部会長から規格作成協力者一人一人に表彰状が授与されました。受賞者は以下の方々です。(敬称略,順不同)

【個人】共立マテリアル() 小森康生,コバレントマテリアル() 高橋真人,()産業技術総合研究所 森川 久,昭和電工()塩尻事業所 宮尾茂治・上条 剛,昭和電工()分析物性センター 橋本政晴,スペクトリス() 水平 学, ()太平洋コンサルタント 倉持章一,東芝ナノアナリシス() 小沼雅敬,日本インスツルメンツ() 田口 正・谷田幸次,日本ガイシ() 鷲見あや子・佐藤 愛,日本特殊陶業() 白川仁志,()ファインセラミックスセンター 鈴木佐知子,()物質・材料研究機構 矢島祥行,()堀場製作所 橋本文寿,マイルストーンゼネラル() 後藤将治,理学電機工業() 福井順子

【団体】大平洋ランダム()研磨材事業部品証・技術グループ,電気化学工業()大牟田工場技術部分析・解析課

式後,記念写真撮影に続いて,受賞者と協会,部会,分科会関係者との意見交換会を行いました。篠崎窯業標準化委員長の挨拶,乾協会専務理事の乾杯の後,あちこちで新人の紹介や,日頃のセラミック分析に関する工夫や苦労話の数々など話に花が咲いて,あっという間に過ぎ去った2時間でした。

 最後に本研究発表会開催にあたりいろいろご協力下さいました原料部会の目部会長をはじめ篠崎窯業標準化委員長,中島副部会長,協会関係者の方々,並びにご参加頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。

(文責:化学分析分科会主査 ()産業技術総合研究所 上蓑義則)