擬似体液の国際標準化に関する討論会

日時

2002年9月22日(日)17:00〜18:00

場所

秋田大学手形キャンパス(秋田)日本セラミックス協会秋季シンポジウムB会場


 近年,セラミックスの生体活性を生体外で評価するために,小久保らの提案した擬似体液(SBF)が広く用いられています。この擬似体液は,細胞やタンパク質を含まず,無機イオンの濃度のみをヒトの体液とほぼ等しくした水溶液です。擬似体液を用いれば,生体活性発現の指標とされる「体内における材料表面でのアパタイト形成」を生体外にて再現できます。従って,この擬似体液を用いた評価は,生体用セラミックスの試験として,きわめて有用で重要な役割を果たすに至っています。さらに擬似体液はバイオミメティックな材料合成に関する研究にも利用されています。

 この擬似体液(SBF)の国際標準化に向けての検討が,(財)ファインセラミックスセンター(JFCC)を中心に進められています。JFCCは平成11〜13年度に基準創成事業「生体用FCの試験評価方法の標準化」プロジェクトを京都大学大学院工学研究科・小久保教授,京都大学大学院医学研究科・中村教授と共同で取り組みました。その技術開発成果を基にして,擬似体液(SBF)に関する規格2件を日本からISOに提案する計画です。

 ただし,JFCCが日本セラミックス協会年会や生体関連セラミックス討論会等で発表した成果に対しては多くの意見があり,未だ議論が十分に行われてはいません。標準化に向けては,多くの議論の積み重ねが必須です。そこで秋季シンポジウム運営委員のお力添えで,シンポジウム開催中にこの話題について集中的に議論する機会を作っていただきました。擬似体液(SBF)の標準化について率直な意見を頂きたく,皆様のご参加をお願いいたします。


内 容


 司会:(奈良先端大)大槻主税

 

(財)ファインセラミックスセンター(担当:水野峰男)より2件の規格案を説明し,その内容について討論を行います。

(1) 生体用ファインセラミックスの生体親和性評価用擬似体液の調製方法

擬似体液(C-SBF)の調製手順に係わる規定。

(2) 生体用ファインセラミックス材料の生体親和性評価方法

擬似体液(C-SBF)を用いたアパタイト形成試験手順とアパタイト検出方法等に係わる規定。

 なお,この規格化に関しては日本規格協会のご支援を受け,ISO/TC150国内対応委員会等での審議をいただいております。


問合先: (財)ファインセラミックスセンター 水野峰男

(E-mail: mizuno@jfcc.or.jp


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