1993年 学術部門 銀賞

水素化非晶質炭素薄膜に及ぼす酸素の影響

写真の説明:
トルエンを原料ガスとして高周波プラズマCVD法でシリコン基板上に非晶質炭素薄膜を作製し、その表面を原子間力顕微鏡で観察した。その結果、左の写真のように比較的方向性のある山と谷からなる膜表面であり、膜全体の平均粗さは約18mmであった。次に、成膜時に微量の酸素を添加し、同様の方法で水素化非晶質炭素薄膜を作成すると、右の写真のように、酸素無添加の場合に比べ、表面の山と谷が削られ、膜全体の平均粗さは約2nmと平滑化されることがわかった。これは、ラマン分光の結果等より、非sp3結合の炭素がエッチングされたためと考えられる。このように、水素化非晶質炭素薄膜を成膜するときに、微量の酸素を添加すると、平滑な表面を持つ膜を得られることがわかった。

装置、撮影条件等:
ナノスコープIII

出品者所属・氏名:
防衛大学校材料物性工学教室、中村義一、渡邉芳久、平山恵一、末藤嘉仁

撮影者所属・氏名:
防衛大学校材料物性工学教室、中村義一

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