学術的な意義:
非直線抵抗特性を有する酸化亜鉛(Zn0)多結晶体を製造する際,酸化チタン
(Ti02)が少量添加されるとZn0粒子の
異常粒成長か生ずることが知られているが,そのメカニズムは解明されていなかった.
今回,Zn0+Bi203
(0.5mol%)+MnC03(0.5mol%)+
Ti02(0.5mol%)の混合物を仮焼(700℃)
し,粉砕・造粒・成型し焼結(l100C)して得た焼結体表面をエッチング
(H20:HCl=2:1液に,5秒)しSEM観察
した.写真の如き微細構造が観察された.Zn0グレインの大きさは100μm
位であるので,写真はグレインの一部を観察しているに過ぎない.
Ti02添加の焼結体では、Zn0グレインはc−面に
平行に異常成長する.写真の微細な檎造はc−面に平行に形成されているが,
このDefectに沿って拡散が活性化し,これが異常粒成長の原因であると
考えられる.
(*)D.Makovec and M.Trontelj,"Extended Defects in Zn0 Ceramics Containg
Bi4Ti3012
Additive,"J.Am.Ceram.Soc. 77,[5]1202-208(1994)
装置、撮影条件等:
日立製作所製SEM S900、加速電圧 10kV,観察倍率 1万倍
出品者所属・氏名:
松下電器産業(株)材料デバイス(研) 伊賀鷺志、伊藤昌宏、沖中秀行
撮影者氏名:
(株)松下テクノリサーチ 橋本明美、福岡義彦