学術的な意義:
ゼオライトは電子線照射に対して極めて敏感で、透過型電子顕微鏡による通常の
観察条件では瞬時に結晶が破壊されるため、高分解能観察が不可能である。本研究に
おいては、通常のフィルムに対して50倍以上の感度を持つデジタル画像記録方式
(スロースキャンCCD)を応用した低電子線量での観察によって、ほとんど
試料に損傷を与えることなく同一部位のスルーフォーカス法による画像記録に
成功した。同一部位においてフォーカス条件を変えながら連続的に画像記録した
報告例はなく、本観察手法の有効性を証明するものである。
新たな機能特性材料の開発を目的として、イオン交換やマイクロクラスター挿入
などのゼオライト修飾が試みられているが、こうした高分解能観察と
コンピュータシミュレーション像との比較によって、挿入状態の直接的な解析が
可能となる。
装置、撮影条件等:
透過型電子顕微鏡(トプコン(株)EM‐002B、加速電圧200kV、
直接観察倍卒39万倍
ズロースキャンCCDカメラ(ガタン社model679)、画像取り込み時間2秒
出品者所属・氏名:
財団法人ファインセラミックスセンター試験研究所基盤研究室 佐々木優吉、
鈴木敏之、幾辰雄一・中部電力株式会社 佐治明
撮影者氏名:
財団法人ファインセラミックスセンター試験研究所基盤研究室 佐々木優吉、
鈴木敏之、幾辰雄一・中部電力株式会社 佐治明