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生体関連 / 有機・無機複合人工骨補填材料 PDFアイコンさらに詳しい解説記事を読む
(PDFセラミックス誌2023年10月号掲載記事)
有機・無機複合人工骨補填材料
今後の展開が期待されている、生体骨と同じような組成と構造を持つ人工骨
私たちの骨は無機物の水酸アパタイトと有機物のコラーゲン繊維で構成されています。その構造は単なる混合物ではなく、コラーゲン繊維の周囲に水酸アパタイトのナノ結晶が整列した複合体で、鉄筋コンクリートに例えられています。この構造により、骨はしなやかで硬い特性を示します。このナノ構造を模倣した人工骨が2013年より使用されるようになりました。この人工骨はセラミックス単独組成の人工骨と違い、水分を含むと弾力性を示します。また、生体骨と同じような組成と構造を持つことから、骨内に移植すると、自分の骨を移植した場合と同じような反応を示し、生体骨に完全に置き換わっていきます。これらの特徴から、整形外科や歯科口腔外科を中心に事故や病気で失った骨の代わりに使用されています。さらに、シート状やペースト状にする研究も進められており、今後の展開が期待されています。

人工歯


製品の使用用途 人工骨補填材料
見学可能な博物館など 特になし
Key-word 水酸アパタイト、コラーゲン、人工骨
市場に出回った年代 2013年〜現在
*現在とは記事作成時(2023年10月時点での情報です)
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