発電所でつくられた電気は変電所を経て工場や各家庭などの需要家に送られます。その間の電気を送る電線を絶縁し、また機械的に支えるために、「碍子(がいし)注1」が用いられます。電力需要の増大に伴い、碍子も大型化、高強度化が求められ、またいろいろな使用環境に適合するため、様々な形状や工夫がされています。国内の碍子は絶縁性および機械強度の優れた磁器製が広く使われています。その原料としては、陶石、長石、粘土、アルミナが用いられ、約1300℃の高温で焼成して製造されます。現在国内で使用されている最大強度の懸垂碍子は、530kNの荷重にも耐えるものです。将来の電力技術研究のため、高さ11.5mの碍管 注1を用いた試験も行われています。
碍子、碍管は社会基盤である電力インフラを支える上で欠かせない重要な製品で電力の安定供給に貢献しています。
注1 碍子の「碍」は ふさぐ、さまたげる、じゃまをするといった 意味を持ち、「子」は機能をはたす物体や道具の意味。電気的な絶縁 体であり、両端の開いた中空絶縁体を碍管と呼ぶ。用途によって、構造、材料、形状、大きさなどが異なる。 |