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OA機器 / 薄膜磁気ヘッドスライダー用セラミックス材 PDFアイコンさらに詳しい解説記事を読む
(PDFセラミックス誌2007年1月号掲載/
2023年1月改訂記事)
高速回転する磁気ディスクの上を浮上する磁気ヘッド部材

今回紹介するアルミナチタンカーバイド材(AlTiC材)は、ハードディスクドライブ(HDD)に使用されるセラミックス材料である。HDDは高速で回転するディスク上に磁気方式で記録していくデバイスであり、AlTiC材はその磁気記録を読み書きする素子に用いられる。薄膜磁気ヘッドと呼ばれるこの素子は、AlTiC材からなる基板(ウエハ)上に半導体プロセスを用い回路素子が形成された後、スライダーと呼ばれる個片に切断加工される。その製造方法ならびに用途から、AlTiC基板は高い表面平滑性、平坦性、緻密性、精密な被加工性が要求されるため、高い技術レベルの加圧焼結プロセスが適用されている。また、常に高品質のAlTiC材を安定して製造するため、原料から最終加工まで個々のプロセスは厳密に管理されている。HDDは情報化時代のコストパフォーマンスに優れた情報記録装置であり、データセンターにおいて中核的な地位を占めている。現在、IoT、5G、DXの拡大を背景としてHDDの需要は伸長する予想であり、今後もAlTiC材は活躍が期待される材料である。

製品の使用用途 ハードディスクドライブ(HDD)の薄膜磁気ヘッド
見学可能な博物館など 特になし
Key-word アルミナチタンカーバイト,薄膜磁気ヘッド
市場に出回った年代 1978年〜現在
*現在とは記事作成時(2023年1月時点での情報です)
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