日本セラミックス協会関東支部 セラミックス地域懇談会 実績報告書

概 要
 令和4年12月20日に,対面形式とWeb によるオンライン形式(WebEx)のハイブリット開催により,地域懇談会事業と,第3回長野県ファインセラミックス技術研究会を共催実施しました.
 研究会員である長野県内の中小企業と信州大学に加え,関東支部会員の参加もあり,9機関33名の参加者を迎えて実施する事ができました.
 今回は,信州大学大学院総合理工学研究科 繊維学専攻 化学・材料分野 教授 宇佐美 久尚 氏をお招きし,有機・無機複合界面を利用する光機能−−光電子移動挙動の観測とポリエステル繊維表面のナノ修飾への応用について御講演をいだたきました.
 御講演では,光エネルギーにより生じる励起電子と正孔を酸化還元反応に利用する,光触媒の原理について学び,光触媒活性を高めるための要件として,電子‐正孔再結合の抑制とバンド準位の制御が重要であることを解説いただきました.これら要件を満たすためのアプローチ方法として,Langmuir-Blodgett法による半導体ナノ成膜について詳しく解説いただきました.また,光触媒を環境負荷の少ない繊維の開発に応用した事例についてご紹介いただきました.
 今回,研究会での講師をお引き受け頂いた宇佐美様,ご参加いただいた皆様,並びにご支援を賜りました日本セラミックス協会関東支部幹事の皆様に深く感謝申し上げます.

講演内容

題 目:「有機・無機複合界面を利用する光機能

    −−光電子移動挙動の観測とポリエステル繊維表面のナノ修飾への応用」

講 師:信州大学大学院総合理工学研究科 繊維学専攻 化学・材料分野
    教授 宇佐美 久尚 氏

内 容: 1.半導体膜の光電子移動挙動の観測
    ・光触媒のモデル
    ・半導体膜,色素‐半導体複合膜について
    ・光電子移動と半導体特性の測定
2.繊維表面のナノ修飾と光触媒機能
    ・光触媒ポリエステル繊維

質 疑:繊維表面へのリン酸ジルコニウムのコーティング方法について 等

以 上

参加者募集‐日本セラミックス協会関東支部 セラミックス地域懇談会

<講演会>

日時:令和 4年 12月20日(火),14 時 00 分〜16 時00 分

開催方法:対面形式とWeb によるオンライン形式(WebExの予定)での開催

会 場:長野県工業技術総合センター 材料技術部門(長野市若里1−18−1)

講師:信州大学繊維学部 化学・材料学科 教授 宇佐美 久尚 氏

題目:「有機・無機複合界面を利用する光機能−光電子移動挙動の観測とポリエステル繊維表面のナノ修飾への応用−」

光触媒反応の実用化には光電子移動を制御する優れた反応場が求められる.宇佐美氏は色素分子と半導体性の無機シートの複合界面を反応場として利用し,光エネルギーを化学原料合成や有害物質の分解除去に利用する研究を進めている.本講演では光触媒反応の基礎と応用研究の最新動向を解説して頂く.

参加者:50名程度
   参加希望者は,12月19日(月)12:00までに以下の連絡先にお知らせください.

参加費:無料

主催:長野県ファインセラミックス技術研究会
   日本セラミックス協会関東支部

連絡先:長野県工業技術総合センター 材料技術部門 材料化学部
   柳澤貫太
          E-mail: yanagisawa-kanta-r@pref.nagano.lg.jp