日本セラミックス協会東海支部

26回東海若手セラミスト懇話会

2002年秋期講演会

 

去る10月11日(金)産業技術総合研究所中部センターにおいて,第26回東海若手セラミスト懇話会・秋期講演会が、開催されました(共催:日本セラミックス協会基礎科学部会、日本化学会、産業技術総合研究所).夏の蒸し暑さに別れを告げ,この日は,晴れ渡った空に秋風の吹く爽やかな天候に恵まれました.会場となった産総研中部センターは,名古屋市守山区の志段味サイエンスパークに昨年11月に移転したばかりですが,緑に囲まれたすばらしい環境の中での講演会となりました.夏期セミナーの成功に続き,今回は,大学,企業などから20〜30代を中心に132名の参加者という予想以上の大盛況となりました.

 講演は,産総研の淡野正信主任研究員による「シナジーセラミックスにおける環境浄化材料の開発」と,先日,大阪府立大から豊橋技科大へ異動された松田厚範助教授の「ゾル−ゲル法による機能性材料の制作と応用」の二件の講演が行われました.どちらも,基礎的な内容から応用に至るまでを大変分かりやすく解説いただき,専門外の方や学生さんにも聞きやすい講演でした.

淡野主任研究員は東海若手セラミスト懇話会設立当初からの運営委員としてもご活躍で,「受付のおじさんとして顔を覚えられていると思いますが・・・」と,参加者をリラックスさせる自己紹介から導入されました.一方,松田助教授は異動後初の講演ということで,東海支部デビュー講演となりました.

質疑応答では優秀な質問が相次ぎ,活発なディスカッションが展開され,そのディスカッションは休憩時間のロビーへも引き継がれました.(写真1)

 見学会は,産総研中部センター内で,津越氏のスキマーインターフェース型EGA-MS及びレーザーイオン化型質量分析計,杵鞭氏の遠心焼結装置,辻内氏の超音波キャビテーション,さらにシナジーマテリアル研究センターに移り,近藤氏にホットプレス,各種工作機械などのセラミックス製造関連装置を,淡野氏にSEMや分析装置など材料評価についての説明を受けました.写真や図の説明とは違い,現物が目の前にあると反応も違い,装置をのぞき込む人も多数見受けられました.(写真2)

 自由討論・懇談会は,天候に恵まれたため予定通りポケットパークで行われました.(写真3)開放的な雰囲気のせいか,食もアルコールも進み,熱心に話し込む人たちのコロニーがいくつかできました.夕暮れ時に始まった歓談も,いつの間にか日もとっぷり暮れ,生け垣や草むらからは虫の音が忙しく鳴いていました.公共交通機関でのアクセスの不便な場所でしたが,飲酒運転厳禁との再三の呼びかけに,帰路における事故もなかったようです.

 本会は,若手セラミック研究者,技術者の交流および情報交換が目的であり,その観点から見ても,この講演・見学,さらには懇親会も通して大変有意義であったと確信しております.

 

文責: 産総研 津越 敬寿


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