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機械の部品を切ったり削ったりする加工では硬いセラミックスの工具が使われる。丈夫で長持ち、短い時間で加工ができる。 |
セラミックス工具が開発されたのは1950年代である。それまでセラミックスはいわゆる焼き物として食器などの陶磁器や耐火物などに使われていたが、その原材料は主に天然原料であり、鉱物から必要成分を選別して混合粉砕し使用するため、単一成分として得ることが難しく、また粒子径など品質が安定しなかった。しかし、第二次世界大戦後の1950年頃から様々な人工の原料が開発され、市場に広く出回るようになり、純度が高く、微細な原材料が入手できるようになった。それを用いて開発された様々なニューセラミックが電機、鉄鋼、自動車、機械、化学工業などへの用途に大幅に急速に広がっていった。その一つがセラミックス切削工具である。セラミックス切削工具には、主としてアルミナや窒化ケイ素が使われる。硬く、耐熱性があり、高速加工に向いているためである。現在も材料や工具形状、使用技術、プレス成形や焼結、研磨製法などの研究が進められている。最近では航空機などタービン部品に使われるニッケル耐熱合金用に様々なセラミックス切削工具が開発され注目を集めている。 |
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