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航空・宇宙・輸送 / 静止地球観測衛星用SiC鏡 PDFアイコンさらに詳しい解説記事を読む
(PDFセラミックス誌2007年12月号掲載記事)
炭化ケイ素(SiC)で作製された望遠鏡用の鏡
静止衛星は常時地球上の同じ位置にとどまるため、リアルタイムの地球観測を可能にできる可能性がある。 しかし、静止軌道の高度は36000kmと高く、気象衛星ひまわりでは1kmの地表分解能が実現できているに過ぎない。 詳細な観測に必要な数10mの地表分解能を実現するためには口径1〜数mの大型の望遠鏡を使用する必要がある。 これまで、このような望遠鏡の主鏡はガラスが用いられてきたがその質量は数100kmにもなり、衛星の質量や開発コストの増大につながる。 たとえば、ハッブル宇宙望遠鏡の2.4mの主鏡の質量は830kgにもなっていた。高強度反応焼結SiCは、熱伝導度、ヤング率が高く、ガラスに比べ熱的な安定性が高く数分の1の質量の反射鏡が実現可能になる。 また、気孔がなく、ガラスと同じように研磨が可能という特徴を持っており、これからの宇宙用の大型望遠鏡の有望な素材である。

SiC
製品の使用用途 人工衛星搭載用光学センサ,人工衛星搭載用光学系,大型天体望遠鏡
見学可能な博物館など 特になし
Key-word 光学ミラー,シリコンカーバイド,宇宙用望遠鏡
市場に出回った年代 2003年〜現在
*現在とは記事作成時(2007年12月時点での情報です)
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