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航空・宇宙・輸送/宇宙ロケット用炭素繊維強化/炭素複合材料 PDFアイコンさらに詳しい解説記事を読む
(PDFセラミックス誌2007年12月号掲載記事)
宇宙ロケット用の炭素繊維−炭素複合体
炭素繊維強化/炭素複合材(C/C複合材)は、炭素繊維が工業化を始められて間もなく研究が 開始され、先ずは超音速機コンコルドのブレ−キ材料として搭載された。ブレ−キ用途に関しては、現在、世界中の大型旅客機(B767,B777等)又はF1レ−シング・カ−のブレ−キに搭載されており、C/C複合材の需要の約80%は、航空機ブレ−キ用途である。また、スペ−スシャトルの熱構造部材として、ノ−ズキャップ、リ−デイングエッジ等にも搭載されている。さらに工業用材料としては、ホットプレスモ−ルド材、半導体の治具や工業炉のトレ−等で使われ年々需要が拡大してきている。ここでは、宇宙用C/C複合材としてH−IロケットアポジモーターのC/Cロケットノズルとして採用された例について記述する。昭和62年8月、宇宙開発事業団が打ち上げに成功したH−Iロケットに搭載された技術試験衛星「きく5号」(重量約550kg)に組み込まれた軌道変換用アポジモーターは、人工衛星の中心部に組み込まれ、人工衛星が長楕円軌道に投入された後、地表から一番離れた遠地点(アポジポイント)で点火され、人工衛星を静止(円)軌道に乗せる重要な役割を果たす。当時、日産自動車(現アイ・エイチ・アイ・エアロスぺ−ス)は、H−Iロケットのアポジモーターの開発を担当。初めて国産化を成功させた。


製品の使用用途 固体ロケットモーターのノズルイグジットコ−ン
見学可能な博物館など IHIエアロスペ−スロケットミュ−ジアム
〒370-2398 富岡市藤木900 番地
(株)IHIエアロスペース 富岡事業所内
http://www.ihi.co.jp/
Key-word C/C 複合材,アポジモ−タ−,ロケットノズル
市場に出回った年代 1987年〜現在
*現在とは記事作成時(2007年12月時点での情報です)
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