唐津焼の誕生については、詳細はわかっていません。室町時代末期に岸岳(きしだけ)城主の波多氏の庇護のもと、雑器を焼いた事に始まると考えられています。室町末の岸岳窯や帆柱窯などの諸窯ですでに「割竹式登窯」の使用が確認されるなど、朝鮮陶業からの影響が大きいと考えられます。とくに安土桃山時代、秀吉による朝鮮に対する文禄慶長の役後は、多くの陶工の渡来により規模を拡大しました。「叩き作り」や足を使う「蹴ロクロ」の使用は、以後唐津焼の伝統となりました。
  その後、有田泉山で陶石が発見され磁器生産が始まると、唐津焼は衰退していきましたが、江戸時代を通して唐津藩の御用窯としての伝統を守ってゆくことになりました。
岸岳古窯跡
唐津焼の魅力は、温もりを感じさせる土味と素朴な作風にあります。東の「瀬戸物」と西の「唐津物」は焼き物の代名詞であり、なかでも茶陶としての名声は極めて高いと言われています。釉は灰釉・藁灰釉・長石釉・鉄釉などの伝統的なものに限られ、施された鉄絵や紋様も野趣に富むものです。
絵唐津飯洞甕陶片
(個人蔵)
叩き青唐津甕
(個人蔵)
二彩絵刷目草紋大皿
(個人蔵)
唐津古窯には、朝鮮陶工の存在を示す資料が多く発見されています。地元研究家には、戦前からの貴重な作品が多くあり、すでに失われている古窯の陶片なども収蔵されています。
隆太窯の工房
 
<情報>
産地の組合等

唐津焼協同組合
武雄古唐津焼協同組合

産地の周辺情報

一般社団法人 唐津観光協会

イベント

・第一回 唐津焼新作うつわ展(H.20.4〜12 月替わり企画)
JR唐津駅横 唐津市ふるさと会館2F特設コーナー
 6月:焼酎カップとビアマグ展
 7月:めん鉢とそば猪口展
 8月:皿・皿展
 9月:片口展
 10:陶板展
 11月:土瓶と急須展
 12月:コーヒーカップとマグカップ展

・秋の唐津焼展(毎年9月に開催)
 JR唐津焼駅横 唐津市ふるさと会館アルピノホール

 
セラミックス博物館
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