初期の信楽焼は素地土(きじつち)が硬めで、長石粒が溶けた乳白色の斑が見られます。これらを古信楽と言います。この頃の信楽焼は施釉のない焼締陶器ですが、焼成時における窯変で淡黄色、緑色、暗褐色などの自然釉がかかり、土味を増した作品として知られています。 後には灰釉が施釉されるようになりました。さらに、光沢性の乳白釉をかけ、焼成時の焦げや土の赤味と混じった独特の風合いを持つ作品が作られました。 信楽焼の土質は、鉄分が少なく総じて淡い色合いを見せます。一方、鉄成分が多く黒褐色を呈する黒信楽と呼ばれる素地土(きじつち)もあります。
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