19世紀初め、津金文左衛門(熱田奉行)、加藤唐左衛門(庄屋・焼物取締役)、加藤民吉(陶工)などの手により、この地方特有のやわらかな味わいを持った磁器が完成、これが瀬戸染付焼の誕生になります。全国から絵師が集まり、絵画的手法(染付画)による瀬戸染付の画風が出来上がります。この染付画は、ウィーンやパリの万国博覧会において高い評価を受け、アール・ヌーヴォーにも影響を与えました。その技術・技法は現在に受け継がれています。
万国博覧会出品(川本桝吉作) 加藤民吉作 絵皿
瀬戸染付焼の特徴は砂婆(さば)と呼ばれる風化した花崗岩(猿投産)に、瀬戸産の木節粘土、蛙目粘土などを混ぜたやわらかな味わいを持った素地にあり、その上に、山本梅逸や横井金谷ら絵師の指導により発展した絵画的技法(染付画)が施されています。平成9年5月には、経済産業大臣より伝統的工芸品の指定を受け、瀬戸市、および尾張旭市にて生産されています。
 
種々の染付画 染付の技法
染付は白地の素地にコバルト顔料(呉須絵具)による絵付を施し、その上に軸薬をかけて焼成したものをいいます。一般的には、磁器のものをさしますが、瀬戸染付焼ではその前身となった陶胎染付(陶器への染付)も含めて、一味違った味わいに人気があります。主な技法には、細かい線で描く「線書」、濃淡をつける「ダミ」、輪郭なしで直接描く「つけたて」があります。
 
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愛陶工会館
 
(参考・写真転載:「瀬戸染付焼工業協同組合パンフレット」より)
 
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