砥部町は、古くから焼き物が盛んでした。現代にまで続く磁器が焼かれ始めたのは、安永4年(1775年)のことです。藩の財源確保のために磁器作りを命じ、技術面での研究開発を担ったのが砥部町の杉野丈助でした。丈助は大村藩長与の陶工・安右衛門らに命じ試行錯誤の末に2年後(1777年)には磁器焼成に成功しました。その後、文政元年(1818年)に向井源治が良質な原料である川登陶石を発見しました。嘉永元年(1848年)には煉瓦を使った窯を作るなど、技術的にも躍進しました。その後、明治26年(1893年)に、シカゴ世界博覧会で一等賞に輝き、砥部焼の名は広く知られるようになりました。


北川毛徳利(江戸) 上原窯茶(江戸末) 淡黄磁(明治〜大正)
北川毛徳利(江戸) 上原窯茶(江戸末) 淡黄磁(明治〜大正)

湯呑
砥部焼は、柔らかな白磁の肌にとけ込んだ藍色の絵模様である呉須絵や、素地の絵模様、やや厚手でぽってりとした飾り気のない形、およびその材質の硬さが特徴の焼き物です。また、シンプルで飾り気のない線が魅力の一つで、呉須絵のモチーフも自然を手本にしたものが主流です。躍動感あふれる唐草紋、太陽と鶴をモチーフにした太陽紋、およびすらりとした曲線が印象的ななずな紋などがよく知られています。現在は、伝統的な砥部焼の枠を超えた柄や色づかいを取り入れた、新しい砥部焼も注目されています。
絵皿
ニューウェーブ:若手作家や女性の作家が砥部焼に新風を吹き込んでいます。伝統の技と新しい感覚が融合して生まれる作品の数々に、愛好者の層も広がっています。また、人々の暮らしに密接してはぐくまれてきたことから、入門への窓口も広くなっています。女性ならではの感性で彩られ、実用に則しながらも、柔和で温かみのある作品や、新進気鋭の若手作家によるセンスの光る作品も象徴の1つです。

 

現代作品1 現代作品4

現代作品・皿

現代作品・壺


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産地の風景
 
(参考・写真転載:砥部焼パンフレット)
 
<情報>
産地の組合等

砥部焼協同組合
砥部焼伝統産業会館
砥部町陶芸創作館

産地の周辺情報

砥部町観光協会

イベント

砥部焼まつり 4月第3土・日曜日  11月第1土・日曜日

 
セラミックス博物館
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