カーボンニュートラル研究会について(設置申請書より)

背景
 日本およびヨーロッパ各国を中心に、2050年にカーボンニュートラルを達成することが目標として掲げられたことから、今後様々な分野で、カーボンニュートラル、低炭素・脱炭素社会への対応に関する研究開発が加速することが予想される。 脱炭素社会の実現にむけては、電力の観点からは、電力の脱化石化が必須であり、そのために再生可能エネルギーの導入、これに伴う電力貯蔵システムの構築や余剰電力の活用が求められている。電気自動車への導入とも関連して、電力貯蔵のための高性能な蓄電素子の開発は必須であり、また、余剰電力を用いた水素や炭化水素を製造することによる電力エネルギーの貯蔵も求められている。また、ガラス、セメントなどを含むセラミックス材料製造においては、排出されるCO2の回収技術の開発、低炭素・脱炭素を目指した製造プロセスの確立などが求められている。 このような取り組みを進めるためには、上記の分野を含む様々な分野の研究者と産業界が連携することは必須であると考えられる。

低炭素社会・脱炭素社会の実現にむけた研究は、これまでに様々な分野ですでに行われてきた。しかし、カーボンニュートラル実現にむけては、多くの企業において何らかの対応が必要となり、また、関連する研究分野の活動が活発化することが見込まれている。日本セラミックス協会においては、これまでに、従来の部会などをベースとする枠組みでの研究発表や情報交換が行われているが、「カーボンニュートラル」という大きな共通の目標に対して、それぞれがどのようなアプローチをしているのか、あるは、これらの目標に対して、どのようなニーズとシーズがあるのか、といった点について、横断的に情報交換する場は存在せず、このような研究会を設置することは非常に重要であると考えている。 今後、セラミックスの分野においても、カーボンニュートラルへの対応を推進する企業や、これらの技術開発に係わる研究者がますます増加することが見込まれる。そこで、本研究会は、セラミックス分野、あるいはその周辺分野におけるカーボンニュートラルに関連するが産学官の研究者が集まり情報交換を行うことにより、課題を俯瞰的に把握し、具体的な取り組みや連携を模索していくことを目的とする。

活動の目標
関連分野で最先端の研究を行っている研究者を招待してのセミナーや、それぞれの研究内容、企業におけるシーズなどの情報を交換する研究会を定期的に開催することにより、日本セラミックス協会におけるカーボンニュートラルへの取組みを可視化し、セラミックス協会内における研究活動を活性化することを活動の目標とする。
 




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