黒田会長

会長 黒田 一幸

中間報告にかえて

会長に就任しておよそ1 年が経過しました。任期の折り返し点にあたりこの一年を振り返り、施策の進捗状況や今後の計画などを記し会員の皆様のご意見やお考えを伺いたく思います。副会長、理事、支部・部会役員、各種委員会委員の皆様には、貴重な時間を割いて協会の発展にご貢献下さり、感謝に堪えません。

本協会の中期経営計画(2020~2022 年度)では、「『豊かな未来・夢を実現させるセラミックス』の科学・技術と産業の発展を支えるLeading Society でありつづけたい」をビジョンとして掲げ、その為に「社会への価値提供」、「協会活動の活性化」、「協会の組織力強化」が戦略課題と掲げられました。また若手セラミストにより作成された令和未来宣言では、「人をつなぐ」「知をつなぐ」「社会をつなぐ」「環境・資源をつなぐ」活動が提唱されています。コロナ禍が続く中でもオンラインにて秋季シンポジウムや年会が充実したプログラムで開催できました。SDGs セッションや米国セラミックス学会共催の国際セッションに加えて、カーボンニュートラルデジタルトランスフォーメーションなども企画に取り入れ、3 月の年会では多くの参加者を集めました。今後も秋季シンポジウムや支部・部会活動などを通じて重層的に各種企画を展開してまいります。

国際ガラス年がスタートし、国内開会式、年会における特別講演会などイベント開催が続いています。科学技術週間において、〈一家に一枚〉「ガラス~人類と歩んできた万能材料~」が配布されました。協会の不断の教育関連事業の取組に加えて、国際ガラス年をバネにして未来を担う多くの若者にセラミックスをより親しみやすく感じてもらえるようになることが期待されます。この流れを活かして、中高生へセラミックス科学技術を幅広く浸透させるべく検討頂いております。セラミックス遺産の制度創設も現在検討中です。130 年を超える歴史を有する我がセラミックス協会の益々の発展を願う気持ちは会員総じて変わりのないことと思います。日本のセラミックス発展の歴史のなかに現在の活動を位置付けることで、広く社会にセラミックスの重要性を認識して頂き、また会員としての誇りをより強く感じて頂ける施策として各種イベントを展開できればと考えています。

2022 年度は、「2020~2022 年度中期経営計画」の最終年度に当たります。上記以外にも国際交流事業、産学連携、会員サービスの見直しなど継続的に推進してまいります。男女共同参画については協会の女性役員の比率をさらに高めるべく、会員皆様のご協力を賜りたいと思います。当協会の国際的なプレゼンスの更なる向上に向けて当協会に多大の貢献をされた外国人セラミストの国際フェロー表彰などの施策も検討を進めています。協会のガバナンス体制を強化刷新するための理事会構成等の見直しも検討しており、2023 年度に新体制へ移行できるよう準備を進めていきます。また2023 年度から始まる次期中期経営計画の策定作業も開始します。

年会、秋季シンポジウム、部会・支部活動の中で会員相互のコミュニケーションはとれていると思いますが、会員の声が直接協会に届くようなコミュニケーションの充実が未達成です。情報発信力強化に向けてホームページの充実を通じて当協会活動をご報告・ご案内し、会員の皆様と情報共有しつつ、協会の今後の発展に尽力して参ります。会員各位の変わらぬご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。


Kazuyuki KURODA(President, The Ceramic Society of Japan)
Interim Report and Remarks