~技術史的、文化的価値に加えて、現在の保存継承活動も評価する~
セラミックス遺産認定制度

日本セラミックス協会 表彰委員会
セラミックス遺産認定制度検討小委員会

■はじめに

我が国の産業競争力の向上に大きく貢献した工業製品や産業技術を産業技術遺産として認定し、後世に伝える活動が、国立科学博物館や各学会等の様々な機関で行われています。公益社団法人日本セラミックス協会では、2025年度より、新たに、セラミックス遺産認定制度を開始いたします。これは、セラミックス分野において現存する「もの」の技術史的、文化的価値に加えて、その価値を子どもたちも含めた一般市民等に伝える取り組み(保存継承活動)も総合的に評価した上で、「セラミックス遺産」として認定する制度です。

セラミックス遺産の特徴

今回、本制度の概要を紹介いたしますので、ご一読の上、ご自身の所属機関で所有し、本セラミックス遺産に適切な「もの」がございましたら、推薦等をご検討ください。

■セラミックス遺産とは

セラミックス分野において、次の①~③のいずれかに該当し、技術史的、文化的価値が高いものを言います。
①我が国の産業分野の技術革新や創造に貢献したもので、初出時点で独創性、新規性があったもの(明治以降の産業発展の基盤となったもの)
②社会、生活、文化など世の中の変革や発展に貢献したもの(新分野・新市場の創出、生活の発展や新生活様式の創出に貢献したもの)
③我が国の伝統に基づく技術、文化で次世代に教育的価値が高く伝承すべきもの(歴史的に価値のある技法、工法など)
※原則として明治時代以降ですが、伝統技術、文化については遡及も可能です。

■認定対象

次の①~③のいずれかに該当し、現存して視認できるものを対象としております。
①保存、または実用されている装置、部材、製品、原料
②象徴的、代表的な土木建造物、プラント、構造物
③歴史的価値のあるプロセス技術等が記された資料

■技術史的、文化的価値を評価する5つの視点(キーワード)

キーワード 内容例
1)独創性・先行性 ・極めて初期に開発、製造されたもの・利用された技術等
・他に先行した技術等により、従来よりも著しく価値を高めたもの
2)普及性・基盤性 ・社会に普及し生活に浸透したもの
・多様な製品・技術の基盤になったもの
3)産業貢献 ・新分野・新市場の創出に貢献したもの
・量産・市場拡大など産業発展に貢献したもの
4)社会貢献 ・社会・生活の変革や発展に貢献したもの
・人や社会との調和に貢献したもの(安全性・環境保全性など)
・学術的価値の向上に貢献したもの
5)歴史的・文化的価値 ・伝統に基づく技術・文化で伝承すべきもの
・生活の豊かさに繋がる文化・芸術性に優れるもの
・次世代への教育的価値が高いもの

■表彰件数(毎年度)

5件以内 ※ただし、推薦数が多かった場合、最大10件

■推薦資格と件数(毎年度)

日本セラミックス協会
・支部長・部会長:2件
・特別会員代表者:1件

■認定までの流れ(2025年度)

①推薦受付(20254月~20258月中旬頃)
②審査(20259月~20262月)※書類審査、ヒアリング調査、現地調査等を実施予定
③認定にあたっての遺産所有者の同意書の提出(2026年2月)
④理事会承認(20262月)
WEBでの公開(20263月)
⑥表彰式(20266月)

■規程・推薦要項及び提出書類(推薦締切日:2025年8月20日(水))

規程 セラミックス遺産規程
推薦要項 2025年度推薦要項
提出書類 推薦書フォーム(MSWord)

■FAQ(最終更新日2024年11月29日)

よくあるご質問とその回答はこちら

■パンフレット

上記の内容をA4両面1枚にまとめたパンフレット(2024/11/28版)はこちら
社内の関連部門等へのご案内等で、ご活用ください。

<問い合わせ先>
公益社団法人日本セラミックス協会 セラミックス遺産 担当
〒169-0073 東京都新宿区百人町2-22-17
TEL 03-3362-5231 FAX 03-3362-5714
E-mail:isan@ceramic.or.jp