公益社団法人 日本セラミックス協会 電子材料部会

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第28回エレクトロセラミックスセミナー

第28回エレクトロセラミックスセミナー

「フロンティア 高温電子セラミックス」
~パワーエレクトロニクス、エネルギーシステムの革新~

主催 日本セラミックス協会電子材料部会
協賛 日本化学会、応用物理学会、電気化学会、日本材料科学会、粉体粉末冶金協会、電気学会、電子情報通信学会
日時 平成21年11月27日(金)13時~17時40分
会場 東京大学 先端科学技術研究センター4号館2階 講堂(200号室)(駒場リサーチキャンパス内)

セミナーのねらい

 多くの分野で耐熱性電子デバイスやモジュールの必要性が高まっています。例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車のパワーモジュール、革新的な発電システム等が挙げられます。これらの実現には、高温で電子機能を発現するセラミックスが不可欠であり、当部会では、これらを総称するコンセプトとして「高温電子セラミックス」を提案しています。
 本セミナーでは、自動車分野、エネルギー分野における高温電子セラミックスへの期待とともに、耐熱性を指向した電子セラミックスの最新研究動向を紹介いたします。多数のご参加をお待ちします。

プログラム

講演概要は裏ページ参照

13:00~13:20
高温電子セラミックスの全体像
産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門長 村山 宣光
13:20~14:00
ハイブリッド自動車技術の動向と機能要素技術の方向性について
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員 篠原 貞夫
14:00~14:40
次世代原子力エネルギーの開発動向
株式会社東芝 電力システム社 統括技師長 前川 治
14:40~15:20
高温保証コンデンサの開発
株式会社村田製作所 積層コンデンサ開発部 部長 久保寺 紀之
15:20~15:40
休憩
15:40~16:20
高温用圧電材料の探索
東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 助教 永田 肇
16:20~17:00
無鉛ペロブスカイトの高温圧電材料化とその応用
名古屋工業大学 しくみ領域 大学院工学研究科物質工学専攻 准教授 柿本 健一
17:00~17:40
高耐熱磁石の研究開発動向
日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 主任研究員 西内 武司
定員 100名
参加費 会員:10,000円(協賛団体会員含む)、非会員:15,000円。学生会員:2,000円、非学生会員:3,000円。
申込方法 HP(http://www.ceramic.or.jp/bdenshi/)の所定フォーマットからお申し込みください。参加費はセミナー前日までにご送金ください。
申込・問合先 〒169‐0073
東京都新宿区百人町2-22-17
日本セラミックス協会 電子材料部会
Tel 03-3362-5231
Eメール e-seminar09@cersj.org

講演概要

高温電子セラミックスの全体像
産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門長 村山 宣光

 エネルギー、環境の諸課題の解決には、高温で電子機能を発現する高温電子セラミックスが大きな役割を果たします。本講演では、温度域毎の高温電子セラミックスの整理と今後の課題を俯瞰します。

ハイブリッド自動車技術の動向と機能要素技術の方向性について
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員 篠原 貞夫

 昨今の二酸化炭素排出など地球環境問題の対応に関し、自動車としての取り組みの現状の一つにあるハイブリッド自動車の技術紹介と今後更なる自動車の動力方式に電動化の拡大を推し進める上で役割の重要な機能デバイス材料などへの要求や方向性などをまとめ紹介します。

次世代原子力エネルギーの開発動向
株式会社東芝 電力システム社 統括技師長 前川 治

 エネルギーセキュリティと地球温暖化防止の観点から、CO2を排出しない原子力エネルギーが世界的に見直されています。現在主流の原子力エネルギーである軽水炉発電に関し、官民一体となった次世代軽水炉の技術開発が進められています。また、夢の低炭素社会実現に向けた水素製造に原子炉施設で生成される高温の蒸気を活用しようとする開発も進められています。これらの次世代技術のベースとして、水素製造用として、固体燃料電池や高温で使用できるSiC高強度材料等のセラミックスの活用が期待されます。講演では、次世代原子力エネルギーの開発動向とセラミックスの適用可能性について紹介します。

高温保証コンデンサの開発
株式会社村田製作所 積層コンデンサ開発部 部長 久保寺 紀之

 近年、自動車の居住空間の拡大および電子化の伸張によるECU搭載スペースの削減により、エンジンルーム近傍にECUを配置する取り組みが進められています。これに伴い、積層セラミックコンデンサ(MLCC)には150℃以上という高温での動作対応が求められています。しかし、MLCCの高温対応には、誘電特性、実装性面に対する課題解決が必要となります。本講演では、150℃使用に耐えうるMLCC用誘電体の材料設計を中心に報告します。

高温用圧電材料の探索
東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 助教 永田 肇

 圧電素子を用いた超音波トランスデューサや圧力センサは、非破壊検査(NDT)や圧力計測の観点から産業界で幅広く用いられています。近年、航空機のエンジン周りや原子炉内など、500oC以上の高温領域下で使用可能なモジュールが要求されています。本講演では、このような温度領域下で使用可能な強誘電体(圧電)セラミックスや圧電単結晶材料についてその性能を示し、最近の研究動向を紹介するとともに今後の課題について説明します。

無鉛ペロブスカイトの高温圧電材料化とその応用
名古屋工業大学 しくみ領域 大学院工学研究科物質工学専攻 准教授 柿本 健一

 圧電性と耐熱性を共存させるセラミックス合成は困難であり、圧電性の向上を狙って元素置換固溶など組成変性すれば、一般にキュリー点が低下するケースが多くあります。しかし、一部の無鉛酸化物ペロブスカイトには、組成変性すれば圧電性と耐熱性が向上する場合があります。本講演では、この材料特長と高温圧電材料としての応用可能性を紹介します。

高耐熱磁石の研究開発動向
日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 主任研究員 西内 武司

 ハイブリッドカー(HEV)など、いわゆる“エコ製品”の需要の高まりにともない、それらに用いられる永久磁石のさらなる高性能化が期待されています。このうち、HEVの駆動モータなどに用いられるNd-Fe-B磁石において、高温で磁石性能を確保するために活用されてきたDyやTbなどの重希土類元素は近年資源リスクが顕在化しつつあり、これら重希土類元素に依存しない高耐熱磁石の開発が課題となっています。本講演では、現在我が国で進められている高耐熱磁石の研究開発状況について概説します。

以上