世界各国のセラミックス学会が参加する国際セラミックス連盟(ICF)は、毎年 3 月 12 日を「国際セラミックスデー(International Day of Ceramics ; IDOC)」とすることを発表しました。

1.  はじめに

セラミックスは、土器から陶磁器への 1 万年を超える歴史の中で、 私達の暮らしを支え文化を育んできました。それに加えて、現在では、科学・テクノロジーを駆使した先端材料技術として、携帯電話、コンピュータや電子機器、自動車から人工の歯や骨などあらゆる分野に使われ、私達の社会を支えています。さらに航空宇宙やエネルギー産業でも複合材料としての使用が広がっています。近年の世界市場規模は 10 兆円と年率数パーセントで伸びている重要な産業分野です。このように、セラミックスは、身の回りから最先端技術まで幅広い場面で使用されていますが、ユーザーの目に見えない領域で使用されることが多いため、その全体像や存在を充分に理解してもらえない面があります。

今後もセラミックス技術が発展し、セラミックス産業が健全に成長し、スマートな未来社会とともに人々の豊かな暮らしを実現していくためには、セラミックスの認知度を高め、その重要性を一般の人々に広く知ってもらうことが不可欠です。これが「国際セラミックスデー」制定の大きな目的です。この記念日の制定により、より幅広く国際社会で認知されていくことが期待されています。

2.  3 月 12 日となった理由

記念日となる 3 月 12 日は、1 年(グレゴリオ暦)のうち 71 日目に当たる日で、これは「Ceramics」の文字をアルファベット順に C (3 番目) E (5 番目) R (18 番目) と最後の S までの数字を足すと 71 になることに起因しています。文部省唱歌「茶摘み」の「♪夏も近づく 88 夜(立春の 88 日後)」が 5 月 1 日もしくは 2 日に相当するという考え方と同じです。※なお、ICF より「国際セラミックスデー」制定に関する正式な発表がなされたのは 2025 年 1 月 23 日でしたので、本年は「国際セラミックスデー」制定の広報にとどめ、2026 年以降、各種イベントを実施する予定です。

2025年年会での日本セラミックス協会 村田会長からの「国際セラミックスデー」の紹介(動画)
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