公益社団法人 日本セラミックス協会 電子材料部会

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セラミック電子材料入門講座

第32回エレクトロセラミックスセミナー

セラミックス・材料関連の急成長ベンチャー企業 [成功の秘訣]

主催 日本セラミックス協会電子材料部会
協賛 日本化学会、応用物理学会、電気化学会、日本材料科学会、粉体粉末冶金協会、電気学会、電子情報通信学会
日時 平成25年11月29日(金)13時~17時20分
会場 東京大学 先端科学技術研究センター4号館2階 講堂 (駒場リサーチキャンパス内)

セミナーのねらい

 昨年度(2012年度)は、歴史的円安、韓国、中国などの急速な産業成長を背景に、日本を代表する大手電機系メーカの国際競争力が鈍化し、日本経済に大きな影響を及ぼした。アベノミクスと企業の構造改革で、復調の兆しが見られるものの、エレクトロニクス業界は、いまだに、出口を見出せていないのが現状である。新ビジネスとしてその伸長が期待されて久しいスマートシティを軸とした環境・エネルギー事業についても、明確なビジネスの形が見えていない。従来システムでの統制が困難になりつつある時期(今)は、社会・経済の構造変化が求められ、新規ビジネスに向けた起業チャンスと考えられる。新規ビジネス創出のために、高度な独自技術は有効手段ではあるが、成功の十分条件ではなく、プラスアルファが必要であると言われている。今回、これからの日本を担う学生・若手研究者・技術者および高度な技術を有しながらもビジネス出口を見出せない産官学の中堅研究者・技術者などを対象に、確実に収益を上げ、経営面でも高い評価を受けているベンチャービジネスの経営者の方々をお招きし、ビジネス視点の成功体験をお聞きすることで、当協会に関連した技術が新規ビジネスへと発展していくことを願い、本セミナーを企画した。

プログラム(敬称略)

13:00~14:00
単結晶材料からレーザー装置ビジネスへの展開 物質・材料研究機構(NIMS) 発ベンチャー企業
(株式 会社オキサイド
代表取締役社長 古川 保典)
14:00~15:00
微少液滴塗布システム『ニードル式ディスペンサ™』 大学発ベンチャー企業
(株式会社 アプライド・マイクロシステム
代表取締役 加藤 好志)
15:00~15:20
休憩
15:20~16:20
ナノ粒子成膜装置ビジネス-構造材から電子デバイス膜まで 民間企業発ベンチャー企業
(有限会社渕田ナノ技研
取締役社長 渕田 英嗣 (兼 株式会社サイアロン 代表取締役))
16:20~17:20
熱電式水素センサ -水素安全技術から医療機器まで- 産業技術総合研究所発 ベンチャー企業
(産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 電子セラミックプロセス研究グループ
研究グループ長 兼 株式会社NAST 取締役 申 ウソク)
定員 100名
参加費 会員10,000円(協賛団体会員含む)、非会員15,000円、
学生会員2,000円、学生非会員3,000円
申込方法 HP(http://www.ceramic.or.jp/bdenshi/)の所定フォーマットからお申し込み下さい。(参加費: セミナー当日支払)
申込・問合先 〒169‐0073 東京都新宿区百人町2-22-17
日本セラミックス協会電子材料部会
Tel 03-3362-5231、Eメール e-seminar@cersj.org

講演概要

単結晶材料からレーザー装置ビジネスへの展開 物質・材料研究機構 (NIMS) 発ベンチャー企業
(株式会社オキサイド 代表取締役社長 古川 保典)
 我々は国立研究所で得られた研究成果の社会還元を目的として2000年に起業した。米国Silicon Valleyでも同分野でいくつかのベンチャー企業が同時期に設立されたが、いずれも既に倒産している。何故、同業の中で我々だけが生き残ることができたのか?その違いは何だったのか?常に独自のビジネスモデルを追求し変化に挑戦し続けてきた経営理念、周囲からいただいたサポートの数々等いくつかの理由が考えられる。今後も成長し勝ち残る企業となるために日頃から意識していることなどを紹介したい。
微少液滴塗布システム『ニードル式ディスペンサ™』 大学発ベンチャー企業 (シニア世代からの転身)
(株式会社 アプライド・マイクロシステム 代表取締役 加藤 好志)
 中堅企業(NECトーキン)取締役の経営実績を活かすべく, 61才で停年退職して半年でベンチャー企業を立ち上げた。シーズ技術である電気通信大学・青山尚之教授のマイクロロボットを事業化しようとしたが市場ニーズがなかったため、別なシーズ技術「微少液滴塗布」の駆動原理を企業サイドで開発して、市場ニーズに応える『ニードル式ディスペンサ』(500万円)の製品化に成功した。大手企業・大学・研究機関など16台の販売実績をあげている。さらに、東京大学との共同研究により高速化などの開発に取り組んでいる。
ナノ粒子成膜装置ビジネス-構造材から電子デバイス膜まで 民間企業発ベンチャー企業 (ミドルからの転身)
(有限会社渕田ナノ技研 取締役社長 渕田 英嗣(兼 株式会社サイアロン 代表取締役))
 我々は、30年以上の長期にわたり、ナノ粒子および微粒子のノズル噴射による膜形成技術の研究開発を進めてきた。前職の真空冶金㈱(現アルバック)からナノ粒子関連装置(ナノチューブなどを含む)の事業移管を受け、それらの製造・販売を行なっている。これら日本発のナノテク技術であるガスデポジション技術の先駆者たる地位を固めるとともに長年の実績と人脈を基に、その技術発展に果敢に挑戦することを経営方針の一つと掲げ、2004年に創業した。幸いナノテクブームにも恵まれ、以来9期連続の黒字決算となっている。メーカーとして装置の技術開発を推し進めると共に特許戦略と製造のアウトソーシングが重要と考えている
熱電式水素センサ -水素安全技術から医療機器まで- 産業技術総合研究所発 ベンチャー企業
(産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 電子セラミックプロセス研究グループ 研究グループ長 兼 株式会社NAST 取締役 申 ウソク)
 我々は、熱電デバイスにガス選択性に優れたセラミックス触媒を集積化した新しいセンサデバイスを開発し、0.5ppmの低濃度から5%の高濃度までの広範囲にわたる選択的な水素濃度検知に成功した。水素ステーションでのフィールドテスト実証及び優れた性能を生かした水国際規格(ISO)の策定を進めながら、ベンチャー企業を立ち上げて水素センサを商品化した。現在は、呼気中水素濃度計測等の医療機器開発等、新しい応用の産業創成を展開している。