公益社団法人 日本セラミックス協会 電子材料部会

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エレクトロセラミックスセミナー

第39回エレクトロセラミックスセミナー

『計算機を用いた材料設計に関する最近の展開』

主催 公益社団法人日本セラミックス協会 電子材料部会
共催 公益社団法人日本セラミックス協会 基礎科学部会
協賛 日本化学会、応用物理学会、電気化学会、日本材料科学会、粉体粉末冶金協会、電気学会、電子情報通信学会、電子セラミック・プロセス研究会、表面技術協会、日本MRS、日本ゾル-ゲル学会
日時 2021年7月14日(水)13:00~17:00
会場 オンライン開催

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*申込ファイルをこちらからダウンロードして入力の上メールで送信下さい

セミナーのねらい

昨今のエレクトロニクスのスピード化やモビリティの進化など、我々を取り巻く環境が大きく変化する中、それを支える新しい材料の開発ニーズが高まりつつあります。これまでの材料開発では技術者の「勘と経験」に基づく試行錯誤が繰り返され、技術者の能力に大きく左右されるという課題を抱えていました。近年、デジタル技術の進歩とともに材料開発の手法も進化を遂げており、特に機械学習を材料分野へ応用したマテリアルズ・インフォマティクス(以下、MI)と呼ばれる概念が注目されつつあります。
本セミナーでは、MIを始めとする計算機を用いた材料設計に関する最近の展開に関して、ご専門とする先生方にご講演頂き、参加者の皆様が理解を深め、研究開発業務の中に取り入れるきっかけをつくって頂くことをねらいとしています。

プログラム(敬称略)

13:00~13:45
AI・ロボット・ビッグデータを活用した材料研究戦略
(東京工業大学 物質理工学院 教授 一杉 太郎)
13:45~14:30
物質記述のための計算データ活用とマテリアルズ・インフォマティクス
産業技術総合研究所 機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター
(材料インフォマティクスチーム 主任研究員 安藤 康伸)
14:30~15:15
数理科学を活用したマルチスケール・マルチモーダル構造解
(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 准教授 小野 寛太)
15:15~15:30
休憩
15:30~16:15
第一原理フォノン計算、自動計算、コード開発
国立研究開発法人物質・材料研究機構 (NIMS) 統合型材料開発・情報基盤部門
(データ駆動無機材料グループ 主幹研究員 東後 篤史)
16:15~17:00
粉体プロセスのデジタルツイン構築に向けた数値シミュレーション技術の開発
(東京大学大学院工学系研究科レジリエンス工学研究センター 准教授 酒井 幹夫)
参加費 会員:5,000円(協賛団体会員含む)、非会員:7,500円、
学生会員:1,000円、学生非会員: 1,500円
申込方法 申込ファイルのダウンロード
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問合先 ご質問はこちらから

講演概要

AI・ロボット・ビッグデータを活用した材料研究戦略
(東京工業大学 物質理工学院 教授 一杉 太郎)
現在、モノづくり、ことづくり(価値創造)のあらゆる現場でDX(デジタルトランスフォーメーション)が桁外れのスピードで進んでいる。海外では研究開発の現場にロボットとAIが導入され、研究スピードが大きく向上しつつある。しかし、日本の研究界はいまだDX化できていない。ここで鍵は、「自律的」材料探索手法を有効活用し、データを活用することである。本講演では、研究の進め方についての最新状況を紹介し、データを活用・共有することの利点と解決すべき課題を議論する。
物質記述のための計算データ活用とマテリアルズ・インフォマティクス
(産業技術総合研究所 機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター
材料インフォマティクスチーム 主任研究員 安藤 康伸)
本講演では、物質に関する計算・計測データを活用して物質開発に活かすマテリアルズ・インフォマティクスについて解説する。特に、触媒開発における候補物質の絞り込みに対して計算・計測データを組み合わせた解析を実施した例、機械学習ポテンシャルを活用したアモルファス研究、情報科学に基づいたスペクトル解析など講演者がこれまでに実施してきた研究の概要を紹介する。
数理科学を活用したマルチスケール・マルチモーダル構造解
(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 准教授 小野 寛太)
機械学習技術の進展により、材料の分析・評価について革新が起こりつつある。新たな材料を開発するためには、原子レベルでの物質の結晶構造や局所構造などのミクロ情報だけでなく、微細組織や界面などメゾスケール、さらには材料(素材)として用いられるマクロスケールに至る階層的な不均一構造情報を明らかにし、知識へと転換することが不可欠である。われわれはマルチスケール・マルチモーダル構造解析という計測手法を提案している。従来のような専門家の経験と勘に基づいた情報抽出とは異なり、異なるスケールや異なるモダリティの計測データを統合し、数理科学を駆使して統合的に理解することを可能にし、材料開発の設計指針や材料科学に関する新たな学理などの知識としてフィードバックすることにより、高い付加価値を持つ材料の研究開発プロセスにおける生産性を飛躍的に向上させる。
第一原理フォノン計算、自動計算、コード開発
(国立研究開発法人物質・材料研究機構 (NIMS) 統合型材料開発・情報基盤部門
データ駆動無機材料グループ 主幹研究員 東後 篤史)
第一原理計算を基礎としたフォノン計算が材料研究一般に応用可能となって久しい。計算機ハードウエアの性能向上とソフトウエア開発の近代化により、第一原理フォノン計算は今後さらに普及し、自動計算とともに多様な材料データを大量に取得することが可能となる。理論研究者だけでなく、実験研究者、エンジニアなど多岐にわたる人々が、その恩恵を受けることとなる。この未来を支えるのが、サイエンティフィックコード開発である。次世代の研究者は英語と同等に重要なものとしてコンピュータ言語を使いこなすこととなる。その新しい時代に必要とされるサイエンティフィックソフトウエアのデザインについて考える。
粉体プロセスのデジタルツイン構築に向けた数値シミュレーション技術の開発
(東京大学大学院工学系研究科レジリエンス工学研究センター 准教授 酒井 幹夫)
本格的にDXを推進するために製造業においてデジタルツインの活用が求められている。デジタルツインを活用できれば、サイバー空間において新製品の設計や製造工程の検討を行い、それらを効率的に製造設備に反映できる。デジタルツインの構築において、実現象の再現性の高いシミュレーション技術が求められる。本講演では、著者のグループで開発した最先端の粉体・混相流の数値シミュレーション技術について紹介する。